元日本語教師 初めての“オフィスワーク” コロナの影響で大きく変わった私の人生(下村拓也さん/34歳)
2023年09月14日
自分が会社でパソコンをたたく日が来るとは
思ってもいませんでした!(笑)
下村拓也/SHIMOMURA TAKUYA
▼プロフィール
1989年生まれ、静岡県出身。明治学院大学卒。日本語教師資格保有。10代の頃からすでに海外に興味を持ち、大学卒業後はオーストラリアやニュージーランドでのワーキングホリデーを経験。その後は日本語教師資格を活かせる仕事を探しフィリピン・ネグロス島へ。新型コロナの影響による勤務先の経営難からやむを得ず転職を決意。再就職先として現在の勤務先を見つけ、セブ島へ移住。現在の勤務先ではテレマーケティング部署のサブマネージャーとして活躍中です。
きっかけは、家族で行った海外旅行
そこから7年。日本を飛び出し様々な国へ
まだ15歳の頃かな?高校入学前に家族で海外旅行に行ったんです。そこで自分とちょうど同じくらいの歳の少年と話す機会があって。
中学3年間、人並みに勉強はしていたつもりだったんですが、それこそ授業で一番最初に習う自己紹介みたいな発言しか出来なくて、衝撃受けました。ここまで喋れないもんかと。
せっかく異国の、しかも自分と同じくらいの人と出会えた貴重な機会だったのに英語が話せたらもっと仲良くなれたのになーって。ちょっと悔しかったです。
その事をきっかけに、海外に住んだら上達も早いのかな?と考え、漠然と海外での生活を思い浮かべるように。
高校、大学と進学し、22歳の時にようやく夢だった海外生活をスタートさせました。
まずはワーキングホリデーでオーストラリアとニュージーランドでの生活を経験しました。
職場は転々とできるんですが、野菜や果物を収穫するファームで働く事が多かったです。
特にニュージーランドはど田舎なんですけど、のどかで楽しかったですね~。
2か国で過ごしたトータル数年間で、だいぶ英語力が伸びました。
フィリピンに来た理由ですか??
マッチングアプリです。笑
実は日本語教師資格を持っていて、ワーキングホリデーの後は、日本語教師として働いていました。やってるうちに、アジアを周って日本語を教えたいなという気持ちが出てきたんですが
『環境が合うのか/ご飯は?/日本人に友好的であって欲しい』 etc…
そんな疑問や不安があったので、まずは現地調査へ!
調査といってもほとんど旅行ですが、現地の人とも交流を図ろうと思って使ったのが、出会い系アプリでした。
「日本語の先生してます!日本語勉強したい人いますかー?」というプロフィールを作成して、
画面に出てきたアジア圏の女性全員にとにかくハートを送りまくりました。(笑)
結果として一番マッチする率が高かったのがフィリピンだったので、最初に調査する国をフィリピンに決めました。
その後はタイ、マレーシア、シンガポールを周ってやっぱりフィリピンに帰ってきました。
海外転職する前には、一度その国に行くのをおススメします!
やっぱりそれぞれ合う・合わないがあるので…
総合的に見て、自分はフィリピンが過ごしやすいなと思ったんです。
フィリピンにネグロス島という小さな島があって、そこの学校で日本語の先生として働き始めました。
海外の人に日本語を教える仕事はとてもやりがいがありました。教えていく中で自分自身も日本についてよく知らないことがめちゃくちゃ多いな!と気づかされたり、文化の違いを知ったり、たくさんの事を学ぶ機会になりました。
自分が教えた日本語がどこかで活かされてたら嬉しいですね。
そうしているうちにコロナが始まったんですね。感染を防ぐため学校を開いてはいけないというルールが出来たので、自然と仕事も休職という状況になってしまいました。最初は2、3ヵ月で終わるだろうと思って、合法的ニート生活を満喫していました。バドミントンをしたり、YouTubeを見漁ったり。。
そうそう、自分でもYouTubeチャンネルを作ってみたりもしました!
なんの縛りもない生活の中で禁煙してみようという趣旨でしたが…禁煙はあえなく失敗。笑
とにかくゴロゴロと堕落の限りを尽くしました。
…コロナが全然収束しないじゃないか!焦
好きな時に起きて寝て、まさに毎日が日曜日。ところが、待てど暮らせど終わらないこの生活。ずっと続けていたい幸福感はありましたがさすがに貯金も尽きてきたので、一旦教師の仕事を諦めて転職活動を開始することに。
日本に帰って就職するという選択肢は自分の中には無かったので、フィリピン国内の求人を見てました。その時期は求人も少なかったので、仕事内容は正直あまり重要視していませんでした。
フェリーでセブ島へ。いざ新生活!まず驚いたのがセブ島の日本人の多さでした。
オフィスはほぼ日本人でフィリピン人が数人。同じ国内でも住む地域によってかなり環境が変わることを知りました。そして人生で初めてのデスクワークということもあり、今までの生活とはかなりギャップがありました。
そんな環境の中でもコロナ禍でセブに残る日本人同士共感できる考えがあったり、その頃街はロックダウンしていたので、生活の情報を交換し合ったり、仕事仲間であり友達でもあるような同僚たちと厳しいコロナ禍を乗り切りました。
これまで避けてきたオフィスワークも
気づけば、入社して早3年。
最初は人差し指と中指を使ったタイピングしかできなかった私も入社して3年が経ちました。
同じコールセンターの中でも様々な商材を経験しながら、今では新商材の立ち上げでクライアントとのやり取りをしたり、後輩に指導したりと“会社員っぽいな”ということをしています。笑
勤め先が色々な事業を行っている会社なので、今後はもっと色々なことに挑戦したいなという思いがあります。日本語教師の資格や経験もまたいつか活かせたら、とも思ってます。
転職や海外移住を悩まれてる方へ
すぐには海外に行けないよ、今の状況じゃ転職できないよという方ももちろんいると思います。
私もコロナがなかったらオフィスワークをしようとは思わなかったと思うしセブ島にもいなかったかもしれません。
たくさん悩んで決断を出した方が良いかとは思いますが、自分では絶対にないな、という道も何かのきっかけやちょっとした興味から挑戦してみても良いと思います。仕事きっかけで来ても、人生に大きな変化をもたらす出会いやチャンスがあるかも?
私はセブに来た結果…将来を共にするパートナーができました!
実はもうすぐパパになるんです。「赤ちゃん 正しい扱い方」で検索しまくってます(笑)
人生何があるかホントにわからないなと思います。
彼女はフィリピン人なので家では基本英語です。10代の頃の自分が聞いたらびっくりですね。
ビサヤ語(セブ島の方言)も教えてもらっています。目指せトリリンガル!
フィリピンの求人は英語ができない/流暢でない方もOKなものが多いイメージなので移住してから英語を勉強するのも全然アリだと思います。
私の体験談を見て、あまりに楽観的だな、と思う方もいるかと思いますが、こんな風にフラッと転職する人も珍しくないよということが何かの参考になったら嬉しいです!